ヤードの外国人雇用、将来は特定技能「資源循環」で救済できる? ただし不法就労歴があると、その入口自体を失う可能性
2026/10/11
こんにちは。
外国人のビザと雇用問題に取り組む行政書士の森久保です。
少し前になりますが、外国人の不法就労対策について、また気になる報道が出ていました。
2026年7月の読売新聞によると、出入国在留管理庁は、不法就労助長罪の処分歴を業種ごとの許認可における「欠格事由」に追加するよう、関係省庁へ法改正を要請する方針とのことです。
つまり、外国人を不法就労させたり、あっせんしたりして有罪になった場合・・・
罰金刑だけで済んだとしても、一定期間その業種の事業そのものができなくなる可能性がある
という話です。

記事では、不法就労が問題になりやすい業種の一つとして、車を解体・保管する「ヤード」が挙げられています。
ヤードといっても実態はいろいろです。
中古車を保管しているだけのところもあれば、部品取りをしているところ、使用済自動車を解体しているところ、破砕・選別まで行っているところもあります。
そして、ここで一つ気になるのが、
新しく特定技能の対象分野となった「資源循環」です。
ただし、ここは最初に注意が必要です。
2026年10月10日現在、資源循環分野は特定技能の対象分野として位置付けられていますが、新たに定められた分野・業務区分については、入管庁が「省令等の準備が整い次第受入れ可能」としています。
つまり、
制度の方向性は決まっているものの、実際の受入れ開始時期や細かな要件はなお流動的
という段階です。
そのため現時点で、
「自動車解体ヤードなら特定技能・資源循環で外国人を雇えます」
と断定することはできません。
一方で、資源循環分野の中心になるのは、廃棄物の中間処理です。
使用済自動車の破砕や選別など、実態として資源循環に該当する事業については、将来的に特定技能で外国人を適法に受け入れられる可能性があります。
ここは、これまで不法就労が問題になりやすかった業界にとっては、かなり大きな話です。
今まで、
「人が足りない」
「日本人が集まらない」
という理由で、在留資格に合わない外国人を現場で働かせていた会社でも、
将来的には、
きちんとした許認可を取り、特定技能・資源循環という正規ルートで外国人を雇用する
という道ができるかもしれません。
一方で・・・・
今回の報道を見ると、その一方で非常に大きなリスクも見えてきます。
もし今の段階で不法就労助長罪に問われ、その処分歴が将来、廃棄物処理業や自動車リサイクル関連業の「欠格事由」に組み込まれた場合、
いざ特定技能・資源循環で適法に外国人を受け入れようと思った時に、その前提となる事業許可そのものが取れない
という可能性が出てきます。
これはかなり重い話です。
今だけ人手が足りないから、
「とりあえず働かせてしまえ」
では済まなくなるということです。
現在の不法就労が、
将来の外国人雇用ルートまで潰してしまう。
そんなことにもなりかねません。
特にヤード業界は、廃棄物処理法、自動車リサイクル法、古物営業法など、複数の法律が関係します。
そこに今後、
特定技能・資源循環
という外国人雇用制度が加わることになります。
だからこそ、
「ヤードだから特定技能でいける」
「外国人なら誰でも現場で働ける」
という理解は危険です。
・その会社がどの許認可を持っているのか?
・実際に何の事業をしているのか?
・外国人に何の仕事をさせるのか?
・そして、その仕事内容が特定技能・資源循環の対象になるのか?
ここまで確認する必要があります。
資源循環分野の詳細は、まだ流動的です。
ただ、方向性だけを見ると、
これまでグレーな外国人雇用が起こりやすかった業界に、適法な受入れルートを作ろうとしている
とも見ることができます。
だからこそ、その入口ができる前に、不法就労で事業許可そのものを失うようなことは避けなければなりません。
今後、資源循環分野の省令や試験、受入れ要件が具体化した段階で、このブログでも改めて取り上げたいと思います。
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