無資格で許可申請書類を作成し逮捕 改正行政書士法施行後、入管業務でも他人事ではありません
2026/10/10
こんにちは。
外国人のビザと雇用問題に取り組む行政書士の森久保です。
北海道出張から、無事に東京へ帰ってきました。
今回のお土産はこちら。
北海道銘菓の「よいとまけ」と、エゾシマエナガのお菓子です。

エゾシマエナガ、完全に見た目で衝動買いしました(笑)。
そして「よいとまけ」。
白い恋人や六花亭などと比べると、本州ではちょっとマイナーかもしれません。
そんな北海道帰りにニュースを見ていたところ、行政書士としてはかなり気になる記事が出ていました。
静岡県で、行政書士の資格がないにもかかわらず、法人から依頼を受けて国土交通省に提出する「特殊車両通行許可」の申請書類を作成したとして、53歳の男性が行政書士法違反の疑いで逮捕されたというものです。
報道によると、この男性は約40の顧客を抱え、少なくとも1年以上、無資格で行政書士業務を行っていたとみられています。
そして今回、私が特に気になったのが、
「2026年3月、別の取引先から警察に情報提供があり、警察が捜査を進めた」
という点です。
今年1月1日、改正行政書士法が施行されました。
改正後の第19条では、行政書士または行政書士法人でない者について、
「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」
行政書士の業務を行うことができないことが、より明確になりました。
つまり、
「書類作成料はもらっていません」
「コンサルティング料です」
「会費の中に含まれています」
と名目を変えればいい、という話ではありません。
日本行政書士会連合会も、会費、手数料、コンサルタント料、商品代金など、どのような名目であっても、実質的に対価を受けて業として官公署提出書類を作成すれば問題になり得ると説明しています。
この改正を受けて、昨年後半から私のところにも、
「登録支援機関で在留資格申請の書類を作っているけど、本当に大丈夫なんでしょうか?」
という相談が結構ありました。
実際、改正を機に当事務所と契約された登録支援機関も何社かあります。
一方で、外国人人材紹介業界の中には、今でも行政書士を使わずに在留資格申請書類を作成しているように見えるケースがあります。
もちろん、外国人本人が自分の申請書を作成することまで禁止されているわけではありません。
問題になるのは、他人の依頼を受け、報酬を得て、業として行政書士の独占業務を行うケースです。
そして、もう一つ最近気になるのが、
開業したばかりの行政書士が「書類の運び屋」のように使われるケースです。
実際のヒアリングも書類作成も外国人材会社側が行い、
最後に行政書士が名前だけ出す。
あるいは、内容をほとんど確認せず申請だけを行う。
これは行政書士側にも非常に大きなリスクがあります。
今回の事件は入管業務ではなく、特殊車両通行許可の申請でした。
しかし、
「別の取引先から警察への情報提供をきっかけに捜査が始まった」
という流れを見ると、入管業務でも同じようなことが起きても不思議ではありません。
外国人材紹介業界は、ここ数年かなり多くの事業者が新規参入しています。
特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務。
人材紹介と在留資格手続が非常に近い距離にあるため、
「人材紹介のついでにビザ申請書類も作ってしまう」
ということが起こりやすい業界でもあります。
ただし、
人材紹介ができることと、在留資格申請書類を報酬を得て作成できることは別問題です。
ここは本当に注意していただきたいところです。
今回の逮捕をもって、
「これから無資格者がどんどん摘発される」
と断定することはできません。
ただ、行政書士法が改正され、業務制限の趣旨が明確化された直後に、こうした摘発事例が出たことは、少なくとも無視できないと思います。
特に、
「うちの会社がやっていること、大丈夫かな?」
「登録支援機関や人材紹介会社として、どこまでやっていいの?」
「行政書士に頼んだ方がいいの?」
と迷ったら、問題になる前に一度専門家へ相談してください。
知らずにやっていた、では済まなくなる可能性があります。
外国人雇用・人材紹介と在留資格業務は非常に近い分野だからこそ、
業務の境界線を最初に確認しておくことが大切です。
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