同じ「塗装」なのに試験免除にならない!?技能実習から特定技能への移行は意外と複雑です!
2026/10/15

こんにちは。外国人のビザと雇用問題に取り組む行政書士の森久保です。
先日、登録支援機関を通じて、建設業の塗装会社さんからこんな相談がありました。
「今度、技能実習を修了するベトナム人2名を特定技能1号で採用したいんです」
「2名とも塗装の技能実習生なので、技能実習2号を修了すれば、試験免除で特定技能に移行できますよね?」
なるほど。
ただ、話を聞いていて少し気になることがありました。
あ・・・塗装か・・・
実は、この「塗装」という職種、特定技能への移行を考えると、なかなか面倒なのです。
同じ塗装でも、技能実習で行っていた作業によって、特定技能への移行先や試験免除の取扱いが違ってくるのです。
そこで、念のため2名の技能実習の作業内容を確認してみました。
・A君:金属塗装
・B君:鋼橋塗装
どちらも技能実習の職種は「塗装」です。
しかし、作業名が違います。
これは怪しい・・・。
「塗装の場合、技能実習を修了すれば必ず建設分野の技能試験が免除される、というわけではないんです。念のため確認しますね」
とお伝えして、国土交通省や経済産業省の資料を調べることにしました。
そして、案の定・・・。
やはり、2名で取扱いが違いました。
国土交通省の「別表6-1(建設)」を確認すると、建設分野の技能試験免除の対象として「建築塗装作業」「鋼橋塗装作業」が掲載されています。
ところが、「金属塗装作業」は掲載されていません。
さらに経済産業省の対応表を確認すると、金属塗装は工業製品製造業の機械金属加工などに対応しています。
つまり、今回のように建設業の塗装会社に転職する場合、
A君(金属塗装)
技能実習2号を良好に修了しても、それだけでは建設分野の技能試験は免除されません。
建設分野の特定技能1号評価試験などに合格する必要があります。
B君(鋼橋塗装)
技能実習2号を良好に修了すれば、建設分野の技能試験は免除されます。
ちなみに2名とも、技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験は免除されます。
分かりにくいので、今回の判定結果を表にまとめてみました。

いかがでしょうか??
同じ「塗装」の技能実習生なのに、この違いです。
しかも、これは細かい言葉の問題ではありません。
採用する会社としては、
「技能実習を修了するのだから、当然試験免除だろう」
と思って採用を進めていたら、いざ在留資格変更許可申請をしようとした段階で、
「実は建設分野の試験に合格していないので、申請できません!」
となりかねないのです。
これは困ります。
試験の日程もありますし、在留期限の問題もあります。
予定していた時期から働いてもらえなくなる可能性もあります。
今回も調査結果を比較表にして、登録支援機関と塗装会社さんにご説明しました。
なお、金属塗装だから特定技能に移行できない、という意味ではありません。
工業製品製造業など、試験免除の対象となる分野もあります。
ただし、移行先の会社が何の事業を行い、外国人が実際にどのような仕事をするのかに
よって、話は変わってきます。
また、建設分野では会社側にも建設業許可や建設特定技能受入計画の認定など、
別途要件があります。
単に「塗装会社だから大丈夫」という話でもありません。
いやはや、塗装は本当にややこしいですね・・・。
技能実習から特定技能への移行を検討している企業様、登録支援機関の皆様。
特に建設業で塗装の技能実習生を採用する場合には、技能実習の「職種」だけではなく、「作業名」まで確認することをおすすめします。
後になって「試験免除ではなかった!」という事態を避けるためにも、採用を決める前
に確認しておくことが重要です。
判断に迷う場合は、早めに専門家へご相談ください。
森久保行政書士事務所
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