特定技能関連の「特定活動」が4種類!?名前は似ていても中身は全然違います!!
2026/11/07
こんにちは。外国人のビザと雇用問題に取り組む行政書士の森久保です。
先日のブログでは、技能実習計画の終了日と在留カードの期限が異なる場合、いつまで日本で働けるのか?という問題をご紹介しました。
実は、これに関連して、もう一つよく質問されることがあります。
それが、特定技能への移行に関係する「特定活動」の違いです。
というのも、特定技能に関係する特定活動には、いくつか種類があるのです。
例えば、
「特定技能1号準備」
「特定技能2号準備」
「就労継続支援」
「特定自動車運送業準備」
・・・なんだか似たような名前が並んでいますね。
しかも、これらはすべて在留資格としては「特定活動」になります。
しかし、実際には申請できる条件も、認められる活動内容も違うのです。
そこで今回は、これら4種類の特定活動について整理してみたいと思います。
★出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動」
まずは、こちらの比較表をご覧ください。
さて、この表で特に注目していただきたいのが、「何のために特定活動を取得するのか?」という点です。
まず、最もよく利用されるのが「特定技能1号準備」です。
例えば、技能実習2号を良好に修了し、特定技能1号への移行要件を満たしている外国人がいるとします。
ところが、受入れ企業側の必要書類がなかなか揃わず、在留期限が迫ってきた・・・。
こういう場合に利用を検討するのが、「特定活動(特定技能1号準備)」です。
現在は原則として6か月の在留期間が付与され、許可を受ければ、特定技能1号で就労する予定の会社で働きながら申請準備を進めることができます。
ただし、ここで注意!!
この特定活動は、原則として特定技能1号に必要な技能試験・日本語試験に合格しているか、試験免除の要件を満たしていることが前提です。
「まだ試験に受かっていないけど、とりあえず特定活動で働きながら勉強しよう!」
という使い方はできません。
そして、もう一つ重要なのが、この特定活動で在留している期間も、特定技能1号の通算在留期間に算入されることです。
つまり、特定活動だからといって、特定技能1号の原則5年間というカウントが止まるわけではありません。
次に「特定技能2号準備」です。
こちらも、特定技能2号への移行要件を満たしているものの、必要書類を期限までに揃えられない場合などに利用する制度です。
例えば、2号の技能試験に合格し、必要な実務経験などの要件も満たしている。
ところが、会社側の書類準備に時間がかかってしまう・・・。
こうした場合に、特定技能2号で就労予定の会社で働きながら、申請準備を進めることができます。
こちらも原則6か月です。
ただし、2号準備についても、必要な試験に合格していることや実務要件を満たしていることが前提になります。
つまり、1号準備も2号準備も、基本的には「試験を受けるための在留資格」ではないわけですね。
では、試験に合格していない人が利用できる特定活動はないのでしょうか?
ここで登場するのが、3つ目の「就労継続支援」です。
例えば、受入れ企業の倒産やハラスメントなど、本人の責任によらない事情で仕事を続けられなくなってしまった外国人がいるとします。
しかも、特定技能1号に必要な試験にはまだ合格していない・・・。
こうした場合、一定の条件を満たせば、特定技能1号への移行を目指しながら、新たな受入れ企業で就労できる特定活動が認められます。
在留期間は1年で、条件によっては更新も認められます。
ただし、誰でも自由に利用できるわけではありません。
例えば技能実習生の場合、監理団体などによる実習先変更のための措置を講じても、原則3か月を経過して新しい実習先が確保できないことなど、細かい要件があります。
また、新しい受入れ企業についても、原則として特定技能外国人を通算1年以上受け入れた実績が必要です。
単に「前の会社を辞めたので、特定活動に変更して働きたい」というだけでは認められません。
そして最後が、「特定自動車運送業準備」です。
こちらは、トラック・バス・タクシーの運転者として、特定技能1号への移行を目指す外国人のための制度です。
自動車運送業分野では、日本の運転免許の取得が必要になります。
さらに、バスやタクシーでは新任運転者研修も修了しなければなりません。
そこで、日本で運転免許を取得したり、必要な研修を受講したりするための特定活動が設けられているわけです。
在留期間は、トラック運転者が6か月、バス・タクシー運転者が1年です。
ちなみに、この特定活動で認められるのは、免許取得に必要な活動、研修の受講、車両清掃などの関連業務です。
特定活動の許可を受けたからといって、直ちにトラックやバスの営業運転ができるわけではありません。
そして、こちらの特定活動で在留した期間は、特定技能1号の通算5年間には算入されません。
同じ「準備」という名前でも、特定技能1号準備とは取扱いが異なるわけですね。
さて、ここで最初の技能実習生の話に戻ります。
技能実習が終了し、特定技能への在留資格変更許可申請を行った場合、いわゆる「特例期間」に入ることがあります。
しかし、特例期間に入ったからといって、終了した技能実習計画に基づく就労を続けられるわけではありません。
一方、適切な特定活動への変更が実際に許可されれば、その指定された活動の範囲で就労が認められる場合があります。
つまり、
「特例期間で日本に滞在している」ことと、「特定活動への変更許可を受けて働いている」ことは、まったく別の話なのです。
この違いは、特定技能への移行を扱う際に、ぜひ理解していただきたいところです。
いやはや・・・。
同じ「特定活動」という在留資格なのに、ここまで違いがあるとは、なかなかややこしいですね・・・。
私自身も、実際の申請では、在留カードに記載された資格名だけでなく、法務大臣が指定した具体的な活動内容や申請人の状況を確認するようにしています。
「特定活動だから働ける」「特定技能に移行するためなら、どの特定活動でも同じ」という理解は危険です。
特定技能への移行を予定されている企業様や外国人の皆様は、どの制度に該当するのかを十分に確認していただければと思います。
森久保行政書士事務所
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