「でも昔は最大80万円もらえたんでしょ?」外国人雇用の助成金、本当にそんなにおいしい制度だったのか?
2026/10/08
こんばんは!
外国人のビザと雇用問題に取り組む行政書士の森久保です。
現在苫小牧港におります。
今日はちょっといつもと違って、苫小牧から八戸へフェリーで移動予定です。
夜21時15分発⇒⇒⇒翌朝4時45分着。
飛行機ではなく、久しぶりの船で北海道からの帰路につきます。
思い返せば学生時代は車ごとフェリーに乗り、
下船後八戸から運転して関東まで帰ってきたものでした・・・
さて・・
前回、外国人を雇用したからといって、
「外国人1人につき毎月国からお金がもらえる」
というような制度ではありません、という話を書きました。
すると、おそらくこんな反論が出てくると思います。
「でも、その助成金って前は最大80万円だったんでしょ???」

はい。
たしかに、令和8年9月までの制度では、
一定の就労環境整備措置について1措置20万円、
上限80万円という仕組みがありました。
現在の最大25万円と比べれば、かなり大きな金額です。
では、
「やっぱり外国人を雇う会社は助成金でウハウハだったじゃないか」
となるのでしょうか。
私は、そこはちょっと違うと思っています。
まず、この80万円は、
外国人1人につき80万円ではありません。
外国人を10人雇ったら800万円。
100人雇ったら8,000万円。
……そんな制度ではありません。
会社が外国人の就労環境を整備し、
一定の措置を導入して、
要件を満たした場合に受給できる助成金です。
しかも外国人を採用するには、この助成金とは別にさまざまなコストがかかります。
海外から人材を呼ぶなら、人材紹介、現地手続、渡航、住居の準備、在留資格手続など。
技能実習や特定技能であれば、それぞれ制度上必要になる支援や管理にも費用がかかります。
国内転職の特定技能であっても、人材紹介会社を利用すれば紹介料が発生することがあります。
つまり、仮に最大80万円を受給できたとしても・・・
「これで外国人を何人もタダ同然で採用できるぞ!」
という金額ではありません。
数人採用すれば、採用にかかる初期費用だけで相当な金額になります。
さらに助成金の申請を自社で行わず、
社会保険労務士などの専門家へ依頼するのであれば、
当然その費用もかかります。
もちろん80万円は80万円です。
企業にとって助かる金額であることは間違いありません。
ただし、これは……
外国人を雇い続ける限り、毎年あるいは毎月、外国人の人数に応じて国からお金が入り続けるような制度ではありません。
むしろ、
外国人を受け入れるために必要となる初期費用や、就労環境整備にかかる費用の一部を軽減するもの
と考えた方が実態に近いと思います。
そして、もう一つ。
私は以前、
「この助成金も使えますから、外国人材を採用しませんか」
といった営業が行われているのを実際に見聞きしたことがあります。
ですから、広告や営業トークだけを見れば、
「外国人を採用すると国から80万円も出るの?」
と感じてしまうのも、私は分からなくはありません。
ただ、制度の中身を一つずつ見てみると、
「外国人を雇えば補助金で儲かる」
というほど単純な話ではないことが分かります。
そして、前回のブログで取り上げましたが・・・
令和8年10月からは、この助成金自体も最大25万円へ変更=減額されました。
外国人雇用については、賛成・反対いろいろな意見があって当然だと思います。
ただ、
「外国人を雇えば国から大金が出るから、企業は外国人を雇っている」
と制度を単純化してしまうと、実際の外国人雇用の現場とはかなり違った話になってしまいます。
議論をするのであれば、
誰に、いくら、どんな条件で、何回支給される制度なのか。
まずそこを確認してからでも遅くないと思います。
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